英国の市場調査会社カナリスが6日までにまとめた統計によると、昨年10~12月期は米アップルのパソコン出荷台数が2700万台になり、業界の中で最も多かった。
この後に米ヒューレット・パッカード(HP)が続き、3位は中国レノボ・ グループ(聯想集団)。4位は韓国サムスン電子で、5位は米デルだった。
「3台に1台がタブレットに」
ただ、この統計結果には首をかしげる人も多いことだろう。ほかの多くの調査会社のデータで出荷台数が首位になるのはHPで、アップルのパソコン「マック」はトップ5にも入らないからだ。
例えば先頃米IDCが公表した10~12月期のHPの出荷台数は約1500万台。これに対しアップルが決算発表で公表した同じ期間のマックの販売台数は406万台で、HPの3割にも満たない。
これはどういうことかと言うと、カナリスという調査会社が従来型のパソコンとタブレット端末を1つの市場と考えているからだ。
両者の用途や形態には大きな違いがあると考えられていることから、ほかの調査会社はこの2つを分けて統計を出している。
しかし多くの消費者が従来型パソコンの代わりにタブレットを購入している今、これらを合わせた統計にこだわるカナリスのアプローチは、コンピューティングデバイス市場の全体像を表していると注目されているのだ。
カナリスが定義するパソコン製品のカテゴリーには、ノートパソコン、ネットブック、デスクトップパソコン、タブレット端末が含まれており、これらの10~12月期の合計は1年前から12%増の1億3400万台だった。
このうちタブレットは同75%増の4620万台に達し、全体の34%を占めている。実に世界で出荷されたパソコンの3台に1台がタブレットで、その中で最も多くを出荷したのがアップルだったというわけだ。
「低価格・小型化が進むタブレット」
前述の通りアップルの台数は2700万台で市場全体に占める割合は20.1%。同社のシェアは今回初めて20%を上回った。カナリスの推計によると11月に発売したアイパッド・ミニ(iPad mini)が好調で、アップルのタブレットの全出荷台数の半数以上がこの端末だった。
タブレット市場の拡大に伴って同社のタブレット分野のシェアは49%と半数を下回ったが、もしミニを発売していなければアップルのシェアはさらに低下していたはずとカナリスは推測している。
タブレット市場は低価格、小型化の方向に進んでおり、ミニを市場投入したことでアップルはその波に乗ることができたのだという。
そしてこうした低価格、小型化の恩恵を受けたのが、今回初めて4位に入ったサムスンだ。同社の四半期中の出荷台数は1170万台で市場シェアは9%。このうちタブレットは6割超の760万台を出荷している。製品の低価格化に成功したことがサムスンの躍進の要因だという。
一方、5位となったデルの出荷台数は970万台で、1年前から19%減少した。同社のシェアはわずか7%だ。かつて世界のパソコン市場でトップの座を誇っていたがデルだが、同社の名声は失われつつあると、カナリスは厳しい評価だ。
またデルはかつて「ストリーク(Streak)」と呼ぶタブレットを市場投入したことがあるが、期待していたような成果は出なかったという経緯がある。
そうした中、デルは創業者などによるMBO(経営陣が参加する買収)を発表しており、今後経営改革を進める計画だ。そのデルのMBOには米マイクロソフトが融資を行うことを決めているのだが、カナリスはマイクロソフトは資金面以外でデルが今抱えている問題を解決できないだろうと指摘している。
その理由として、マイクロソフトのタブレット向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズRT」搭載端末のシェアがまだ3%であること、同社のタブレット「サーフェスRT」の四半期中の出荷台数が72万台程度にとどまったことなどを挙げている。
マイクロソフトが設定している同OSの価格では、十分な対抗製品を開発できず、メーカー各社はウィンドウズRTを敬遠している。メーカーを味方に付けるには、OSの価格を6割程度下げる必要があるとカナリスは指摘している。
〈記事元-JBPRESS〉
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37117
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DTPデザインの業界ではMacがほとんどです。サンクスの業務はデザイナーはMacで営業はWindowsで行なっております。広告印刷関係の企業はまだまだこういった環境が多いです。最近はPDF入稿などが増えてきた影響もあってかWindowsでデザインをされている方も少しづつ多くなって来ました。少し前までは「デザイン業界もWindowsに移行していくのでは」という見解もありましたが、最近Apple製品が様々な注目を浴びているのを見ると完全にどちらかに統一されることはまだ無さそうです。
PC一般ユーザーの方々の間で、Macの購入に踏み切ることの出来なかった大きな理由はOSでしたが、Boot CampでWindowsを動かせるようになった今、外見のデザインでMacを選ぶ方も徐々に増えているようです。しかしPC全体の低迷とタブレットの急成長、正直なところネットとメール、ゲームなどのアプリぐらいの利用頻度ならタブレットで十分です。仕事や趣味でPCを必要としないユーザーがタブレットへと移行してしまうのは当然なのかもしれません。将来的にタブレットの性能が上がるにつれノートPCの存在意義が薄れていってしまってしまうかもしれません。
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